楽器を演奏する上で一番大切なものは「歌心」だと私たちは考えます。
演奏者の歌心が余すことなく伝わるように、思いを込めて試行錯誤を重ねました。
トーンホールは楽器のクオリティを決める非常に重要な箇所。
トーンホールの製作精度を最大限高めと管体の気密性が向上させ、吹奏時の抵抗感を減らし、ピアニッシモなど小音量から大音量のフォルテッシモまでダイナミクスにおいてもしっかりと演奏者のイメージに追従します。
ROOTE8サックスのフラッグシップモデルであるModel「Authentic(オーセンティック)」シリーズでは、今では見ることが少なくなった管体の銀メッキに直接サテン加工を施すヴィンテージ・サックスのサテン加工技術を採用しています。
残念なことながら現代の多くのサックスに施されているサテンシルバー・フィニッシュは加工や管理の都合からメッキの上にさらにラッカーをかけ、そのラッカーにサテン加工を施すことが多くなっています。しかしそれでは<銀メッキ+サテン仕上げ>の魅力を十分に発揮することができません。
ROOTE8で表現したいストレスフリーな吹奏感、ハスキー&スムースなサウンドの確立するためには直接銀メッキにサテン加工を施すことが必須事項なのです。
また管体をコーティングしている銀は使用環境下により表情を変えるため、世界に1本しかないエイジングされたサックスが仕上がります。
ROOTE8のコンセプトである「歌うようにいつまでも吹いていたくなるサックス」に必要不可欠な「ストレスフリーな吹き心地」「クイックなレスポンス」という要素。これを実現するため突き詰めていったのが楽器の重量です。楽器全体の重量が増えれば増えるほど吹奏感が重くなると考えられています。しかし軽量化しすぎると今度はサウンドがチープなものになってしまいます。
ROOTE8のサックスではレスポンスとサウンド両面のパフォーマンスが最大限に発揮される重量に仕上がる様パーツのサイズを調整しました。
サックスは金属を曲げたり、穴を開けたりする過程で金属に多大なる負担が生じています。
これは一般的には加工硬化と呼ばれ加工が施された箇所の金属は同じ素材であっても部分的に硬くなってしまいます。一つの管体に硬いところと柔らかいところが点在すると、吹奏感や音域ごとの音色のバランスに悪影響が出てしまいます。この加工硬化を軽減させるために、管体自体にある一定の温度による加工を施すことが、門外不出のサーモ・シーズニングです。
長い金属加工の歴史から、マテリアルへ人為的に温度変化を施す事によって、金属の組成自体が変化する事を発見しました。この技術を応用した独自のサーモ・シーズニングによって全音域、吹奏感において整った統一感を成すことができたのです。
楽器を所有するのであれば、楽器の性能だけでなく惚れ惚れする様なルックスもまた重要なファクターと考えます。ROOTE8のサックスではそれぞれのシリーズに異なるコンセプトが存在し、その世界観を踏襲したサウンドとデザインを実現しました。
歌心のフィーリングは人によってさまざま。
ROOTE8では一人ひとりの音楽、歌心に寄り添える様にヴァリエーションを提案しています。
街中に走るレトロな車を見かけた時に感じるわくわくする気持ち。
Authenticではそんな気分が高揚するオールド・ファッションをデザイン・コンセプトとしています。
1930年代に主流だったヴィンテージ・サックスのルックスを踏襲しレトロルックな外観が目を惹きつけます。サウンドの面では、ほんのりとハスキーで色気のある響きが持ち味。
それはまさに1950年代のマンハッタンのクラブで歌うジャズシンガーの歌声を彷彿とさせるでしょう。
長年に渡って使い込まれた渋さや哀愁、無骨さなどの侘び寂びをコンセプトにデザイン。よくあるアンティーク調の塗装ではなく燻液に浸し化学変化で地金を変色させているアンラッカー(Raw Brass)の仕上げです。
アンラッカーならではの長年使い込まれたサックスのような鳴り、ヌケの良さが楽しめます。
人生の酸いも甘いも知った老紳士のような包容力のあるサウンドには定評があります。
現代のサックスでは最もポピュラーなラッカー仕上げ。管体を鏡面仕上げに磨き上げ職人の手作業によってラッカー塗装を行っています。
輝かしいルックスさながらの艶のあるピュアなサウンドが楽しめます。
AuthenticやRusticとは大きく区別し、あえてクセの少ないサウンド、フラットなイコライジングになるよう設計しているため、吹奏楽からPOPS、JAZZまでオールジャンルにご使用いただけます。
道を意味する=route、
基音を意味するroot、
北陸の主幹道路である
国道8号線の
3語を掛け合わせた語。
サックスは1840年頃にベルギーで生まれ、パリで楽器としての地位を確立しました。
戦争や人種差別など、ブラックな環境下でブルースやジャズといった音楽で愛され、
いつの時代も人々を歌心で支えてきました
ROOTE8をプロデュースするブラステックは10数名の少数精鋭の管楽器技術者集団。
各々が突出した管楽器の体験や知識を持ち合わせ、
ブランドのローンチから今日まで技術研鑽と製品開発に余念がありません。
私たちは一人ひとりの音楽・歌心に寄り添う楽器を製作し続けます。
ROOTE8の開発・製作に携わるマイスターたち